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センター主催国際シンポジウム:高い質の教育をいかにして保障するのか ―フィンランド、香港、アメリカ、日本の取り組み―

2015.10.24

ポスターはこちら

 

日時

2015年10月24日(土)13:00~16:30

場所

東京大学本郷キャンパス 福武ホール(ラーニングシアター)
http://fukutake.iii.u-tokyo.ac.jp/access/index.html

主催

東京大学大学院教育学研究科附属学校教育高度化センター

参加

無料

定員

200名(要事前申込)

プログラム(同時通訳あり)

司会

  • 勝野正章(東京大学大学院教育学研究科教授)

 

研究科長挨拶・趣旨説明

  • 大桃敏行(東京大学大学院教育学研究科教授)

 

センター長挨拶

  • 恒吉僚子(東京大学大学院教育学研究科・学校教育高度化センター長)

 

アメリカの事例

  • ブルース・フラー(米 カリフォルニア大学バークレー校教育大学院教授)

 

フィンランドの事例

  • ハンヌ・サボレイネン(フィンランド ユバスキュラ大学教育学部教授)

 

香港の事例

  • 高寶玉(香港 香港教育学院カリキュラム・教授法学部准教授)

 

日本の事例

  • 市川伸一(東京大学大学院教育学研究科教授)

 

指定討論

  • 小玉重夫(東京大学大学院教育学研究科教授)

 

*休憩の後、ディスカッション

 

申込方法

お申込みフォームに、氏名・所属・連絡先(メールアドレス)・終了後1時間ほど予定している茶話会(無料)への参加の有無を明記し、ご送信ください。
定員になり次第、締め切らせていただきます。
(※シンポジウム終了のため、参加登録フォームは削除しました。)

その他
  • 会場の都合上、定員を200名とさせていただきます。早めにお申し込みください。
  • 本シンポジウムは、科研費基盤研究A「ガバナンス改革と教育の質保証に関する理論的実証的研究」による企画です。

 

実施報告

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10月24日に開かれた、『高い質の教育をいかにして保障するのか —フィンランド、香港、アメリカ、日本の取り組み−』では、各国の教育の質をめぐる政策の流れやその影響、今後の展開について発表があり、パネルディスカッションが行われた。各プレゼンターからは、これまでの教育に対する多様な視点での問題提起と、それを克服する新たな可能性の提示があった。

カリフォルニア大学バークレー校のフラー教授からは、No Child Left Behind法の失敗は、学力向上という狭い視点に囚われ、シティズンシップに代表されるような価値が置き去りにされたのが問題であると指摘され、Common Core State Standardsという新たな枠組みの可能性が提示された。

続いて、フィンランド ユバスキュラ大学のサボレイネン教授からは、フィンランドでは特別教育という形でインクルーシブな教育が目指されており、この平等を希求する方針が、同時に教育の質をも向上させることが統計資料をもとに示された。

香港教育学院の高准教授は、香港における教育改革の動きを、トップダウン式の第一の波と、市場原理の導入という第二の波に分類し、それに伴う教師の協同や、生徒の学力向上に及ぼす影響も具体的に示された。

東京大学教育学研究科の市川教授からは、従来の日本の教育政策は知識の獲得のみを重視する「習得」と、学習者の関心に基づく探究活動のみを重視する「探究」のいずれかに偏っていたのに対し、現行の学習指導要領では、そのバランスと統合が配慮されていること、また、習得の授業において、「教えて考えさせる授業」という新しい形の授業を提唱していることが授業ビデオをまじえて紹介された。

これらのプレゼンテーションを受け、東京大学教育学研究科小玉教授が、各プレゼンターの立場を要約され、フィンランド、香港、アメリカ、日本という4カ国の教育を二つの軸で整理された。一つ目の軸は、教育の管理のされ方であり、国家による統制か、あるいは地方、地域での自治性に基づくものかで分類がなされた。もう一つの軸は、学習における焦点の置かれ方であり、つまり、学習プロセスでの「経験」を重視するのか、あるいは学習による「結果(学力)」を重視するのかである。このような分類を超えて、新たな学びが追求される可能性について、各プレゼンテーションは有力な可能性を提示したと思われる。

その後のパネルディスカッションでは、新たな教育のあり方というものにつき、さらなる議論が展開され、茶話会では各先生方と来場者との間で活発な議論・意見交換が引き続き行われた。

(文責 岩渕 和祥 東京大学教育学研究科比較教育社会学コース修士1年)